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【旅】Chicago-NYC 第3話「真夜中のパンケーキ、再会のニューヨーク」

第3話「真夜中のパンケーキ、再会のニューヨーク」

シカゴ(Chicago)。イリノイ州にあり、アメリカ5大湖の一つとして知られるミシガン湖の
西岸に位置するこの街は、人口約278万人のアメリカ第3の都市。「Windy City」として知ら
れ、ミシガン湖から吹き込む乾燥した冷たく強い風が有名。ちなみにイリノイ州の州都はスプ
リングスフィールドであり、シカゴは州都ではない。緯度は日本の函館とほぼ同緯度であるた
め、その寒さは推して知るべし。冬期は夜間の気温がマイナス20度を超えることがあり、
その激冬ぶりはなかなか有名である。

ダウンタウンに位置するホテルにチェックインし、部屋でインターネット環境などを整え、
ある程度日本からのメッセージを処理。気分転換と時差調整をかねてホテルの近所からちょ
っと足を伸ばした街中を散歩し、ある程度の地理感覚を掴んでゆく。シカゴは「建築の街」
として知られ、なかでも「摩天楼発祥の街」という代名詞が有名。フランク・ロイド・ライ
ト、ミース・ファン・デル・ローエという二人の摩天楼建築家が活躍し、数々の有名なビル
を生み出した。「シアーズタワー」「ジェームス・R・トンプソン・センター」「リバーシ
ティ」「333ウエスト・ワッカー・ドライブ」「マリーナシティ」「レイク・ポイント・
タワー」などなど、上げればキリが無い程様々な建築様式と奇抜な外観で有名なビルが軽く
散歩するだけで目に入って来る。この建築の新鮮さはマンハッタンの摩天楼とは一風変わっ
た驚きと発見がある。


■CHICAGO Downtown 08:40 26/Dec

日中に8度強ある気温はダウンを歩いて外出するのには最適。キリっとした空気がなんだか
たるんだ心をシャキッと立て直してくれる。早朝に着いた為、まだ街が全面的に動いてない
寂しさはあるが、通勤する人達の群れに逆らったり、一緒に動いたりしつつ街歩きを味わっ
てゆく。高度に近代化された街なので、至る所に日本でお馴染みのチェーン店が軒を連ねる。
こういう点は非日常を感じる旅には向かないだろうが、これもまた一興。店員がいい加減なの
か、折角本場で・・・と思ったスタバの「パンプキン・スパイス・ラテ」は薄く、濃厚さが
ない。・・・シャビシャビしたつまらない味。これは帰りのオヘア空港で飲んだパンプキン
ラテも同様で、近所で飲むラテの方が美味いじゃないか・・・と微妙にガッカリもしつつ散歩
を楽しむ。

ホテルに一旦戻り、ちょっと遠出して「科学技術博物館」にでも行こうと、行き方をベッドで
寝転がりながら調べていると・・・

調べていると・・・

・・・熟睡(大汗)。

疲れのなせる技か?目一杯熟睡し、気がつけば・・・



夜・・・Σ(゚д゚lll)(気絶)!


こうしてシカゴの初日は過ぎていった(おいおい)。

・・・訳がない。寝ていられるか!しかも腹減った!・・・すぐに寝癖で一杯になった髪の
毛を隠す為に帽子を被りフロントへ降りてゆく。フロントで「超〜腹減ったんだけど・・・」
「なんか良いカフェ知らない?」「おいらパンケーキ食べたい」「っていうか、夜出歩くと
危険なの?この街」などなど話し込んで、一軒のカフェを紹介してもらう。カフェまでタク
シーで移動し、マグニフィセントマイルのはずれにあるカフェに入る。既に深夜1時過ぎなの
で、店内にはお客さんもまばら。窓際の席に座り、コーヒーと「Flesh Banana Pancake
with nut」を注文。深夜に超ボリューミー&ファットなパンケーキをほうばりながら本を
読む至福の深夜。コーヒーも適度に薄く、ガブガブ飲むのには最高。窓のすぐ外は真夜中の
シカゴの凍った空気。透き通ったクリスタルエアーは、色んなビルから漏れる灯り、車のヘ
ッドライト、クリスマスイルミネーションをキラキラと乱反射をさせながら僕の目に届けて
くれる。静寂はより一層その光の美しさを際立たせる。なんてパンケーキ片手に叙情的にな
ってる場合じゃないが、この時点でかなり気持ちは「非日常モード」として起動し癒されて
来た証拠。結局深夜3時半頃までお店に居座りチェック(お勘定)をする。


■CHICAGO Magnificent Mile 03:25 27/Dec

店を出た後は、ホテルまでまぁ歩けば(1時間位・・・)帰れる距離だったので、マグニフィ
セントマイルを散歩しながら帰ることにする。さーっすがに人っ子一人いない目抜き通り
(銀座並木通りや、マンハッタン5番街に相当するエリアっす)を自由にデジカメで激写しま
くりながら歩いてゆく。深夜なので気温は当然マイナス入っているが、気にならない程度。
出張で旭川のマイナス10度を超えた夜に飲み明かして帰るのに慣れているせいか、寒がりの
くせに寒冷地の叙情が本当に好き。個人的によく札幌などに遊びに行くのもたぶんそのせい
だろう。開放的な真夏の太陽より、雲からうっすらもれる真冬の白夜の様な太陽だったり、
身を切り裂く様な冷たい空気の裏側の春の暖かさに憧れながら街を歩く方が俺の脳みそはより
創造的になれるし、思考も冴えてくる。モノトーンは余計な情報を持たないだけに、創造力を
持てる人間には最も極彩色に見える物なのだと思う。逆にカラフルなものを好む人は本来的に
創造力がないのかもしれない。まぁ偏見もあるかな。・・・街はクリスマスの余韻を引きずっ
たデコレーションが深夜にも関わらず、ライトアップされた状態のままで、ある種独り占め。
こりゃーマジ綺麗!ミシガン湖のほとりというせいもあるのか、なんだか水辺の街特有のゆと
りと優美さが混ざっている街並み。1871年のシカゴ大火の際、唯一焼け残ったと言われる
ウォータータワーのライトアップは一度見て欲しい荘厳さと美しさ。途中出くわしたシカゴ川
にかかった橋から見たビルのライトが反射するシカゴ川とループエリア(ダウンタウン)の夜
景は、周りに人がいないせいかなんとも無機質なのに呼吸をしている様な、深夜にわざわざ
1時間も散歩をしている僕を歓迎してくれているかの様な姿だった。


ホテルに帰れば朝の4時半過ぎ。コーヒーを煎れ、タバコを吸いながらメールやら人のMIXI
日記やらを閲覧する。そのままバスタブに湯をため冷めた体を温めた後は荷造り。・・・そ
う、今朝はこのまま国内線に乗ってニューヨークへ移動する。

いやぁ、マジで出張みたい(汗)。結局一睡もせず早朝にチェックアウトをし、そのままタク
シーで24時間前に到着したシカゴ・オヘア空港へ。「UNITED」のPriorityチェックインを利
用し、そのままPriority Securityへ。ごった返す一般セキュリティーを横目で見ながらの通
過。最近はなんだかこの「Priority」ってレーンがかなり増えて来た、というか定着した印
象。並ぶのが大嫌いなんで、これはかなり嬉しい。X-RAY検査でなんだか猛烈にひっかか
り、質問攻めにあいつつも通過。お腹が空いたのでゲート近くの「Red Carpet Club
(UNITEDのビジネスクラス、Star Alliance Gold Member用のラウンジ)」に入り、パン
とヨーグルト、ホットチョコレートを朝食に頂く。


■CHICAGO O’Hare Airport Red Carpet Club 08:47 27/Dec

気がつけばボーディングタイム。いそいそと指定されたB14搭乗ゲートへ進み、乗り込むのは
「UA674便」。この日はBoeing 737-500がシップとして運用されていた。First Class
(国内線でFってあるのが海外は不思議)のすぐ後ろとなるUAならではの「Economy Plus」
の座席に座り(UAの国内線はFirst、Economy Plus、Economyの3クラス制)、ボケーっと
本を読みながらの約2時間。いつもはJFKだが、今回は国内線だという事で、マンハッタンに
近い「ラガーディア空港」へ降りる便を予約した。横目にJFKを見ながらQUEENSの上空を
ゆったり左旋回し31滑走路へそのまま着陸。盛大なスラストリバースの音を残してスポット
へ。

湯葉兄さんウェルカムですよ!帰って来ましたニューヨーク!
いい加減ここまで来ると無意味にはしゃげる位まで気分は復活していた。

荷物を引き上げマンハッタンに行く為にタクシーをキャッチ。そのまま「3rd ave, 24th」に
あるホテルへ直行。チェックインをして荷物を整理した後、マンハッタンに住む大学時代のク
ラスメート、佐和子に電話をかける。合流の場所と時間を打ち合わせた後、着替えてマンハッ
タンをぶらつきに。1年ちょっとぶりに訪れるマンハッタンは少しだけ記憶と変わっていた
り、そのままだったりしばし郷愁を味わう。歩きやすさや、右を向いても左を向いても好奇心
を刺激されるマンハッタンの佇まい、いつもここに来ると「帰って来たなぁ」という不思議な
感覚を覚える。不思議と居心地がいいっていうのが理由なんだと思うけど、異邦人としての自
分と異邦人を歓迎しつつも無関心な街のフィット感や、NYCの持つその懐の広さが心地よいん
じゃないかと思っている。・・・待ち合わせ時間が近づいたので地下鉄を乗り継ぎ「Spring
St」へ。まぁ要するに「SOHO」エリア。ブルーミングデールズの地下メンズフロアでデニ
ムなどを物色していると佐和子がやって来た。NYCを訪れると必ず飯を食う、かつての級友。
住む場所も仕事も様々な境遇が卒業後に変わっているけど、いまだにタイムラグを感じないで
あった瞬間にかつてのクラスメートだった二人に戻れるその感覚が嬉しい。


■NEWYORK SOHO 18:28 27/Dec

佐和子の案内でSOHOのセレクトショップなどを徘徊。途中DIESEL(全然セレクトショップ
じゃない・・・笑)で気になったデニムがあったので、店員さんとあーでもない、こーでもな
い、と試着を繰り返し、気に入った一本を購入。その勢いで、最近勢いがあると言われている
「Frying A」というセレクトショップで気に入ったニット帽を購入。冬場や旅行時、車で移
動する休日等は帽子を被って気楽に外出するのが好きだったりする(寝癖関係ないし!)。
SOHOを若干下ったあたりの佐和子が普段オフィス代わりに使ってると言うカフェに入り、
だらだらと雑談をした後、仕事で日本とテレカンを控える佐和子と分かれ、タクシーを拾い
そのまま42stにある「グランドセントラル駅」へ。本当は一緒に佐和子と3人一緒にご飯を
食べる予定だったのだが、搭乗していた便がディレイし到着が遅れたご近所さんであり、
大学同期でもあるユキと合流するため。たまたま俺の旅行の日程を知らせたら、同じ日にフラ
イトがあってNYCに降り立つという。12時間に渡るデューティー直後に申し訳ないんだけ
ど、呼び出して夕飯を一緒に食べることにした。彼女達が宿泊するホテルのロビーで待合せ、
年末の夜にほとんどが営業を終了している近所のレストランを探す。好都合なことに、一軒
イタリア料理屋があいていたのでそこに入り、アマトリチーナやサラダを注文し、まただら
だら雑談タイム。


学大のバーにでもいるかのように、だ〜らだ〜らとしゃべり続け、気がつけば他の客はいない
わ、店員達は「まかない」食べてるわ、無法地帯の店内。それでもなおコーヒーを頼もうと
すると「あぁ、ゴメン、機械洗っちゃってもう動かない・・・」、じゃぁって事で「なら、
紅茶、アールグレイ頂戴よ」と言うと、一旦は「OK!」と消えた店員も「あぁ、再度すまな
いんだけど、アールグレイが切れてしまった・・・。イングリッシュブレックファストかカモ
ミールか、グリーンティーならあるんだけど・・・」という有様。しょうがないので残ってる
紅茶を頼み、さらに雑談。夜も更けた頃に店員を解放してあげ、ユキをホテルに送り
「じゃぁ、30日学大忘年会で」と意味不明な約束を取り付け、解散する。お互い気軽に、
便が遅れても何があっても自由に合流出来るのは携帯電話様々・・・。そういう意味での行動
の自由度はこれら最新のデバイスとインフラの発達により格段に広がったと思っている。しか
しながらデバイスの進化は同時に僕たちの毎日を窮屈にする一面も併せ持っていて、メールや
ネットの進化が疎ましく感じる時もあるが、個人レベルでは本当に進化というものは素晴らし
いと思う。「コスモポリタン」という言葉があるが、本当の意味でのマインドがコスモポリタ
ンになれていなくても、デバイスは僕たちを一時的な、そしてちょっとした自信を伴ってコス
モポリタンにしてくれる。それだけに一期一会、という瞬間の美学が段々おざなりになって来
ているなぁという自戒をしつつ、来る2007年はもっともっと一瞬を大切に生きていきたいと
か考えながらホテルに帰る。


■NEWYORK East4th 02:17 28/Dec

明日はシカゴにトンボ帰りだが、昼の便なので午前中はまだまだマンハッタンを楽しめるな。
コンクリートのカサカサした空気や、ポップコーンの甘い匂い、地下鉄の金属音を胸一杯吸い
込んでやるぞ・・・

と、思いながらベッドに身を沈めるニューヨーク・マンハッタン、午前3時。

(第4話につづく)


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