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【小物】PROSTAFF MID St.Vincent model.

知ってる人もいるかもしれないが、湯葉兄は小学校時代からテニスをやっている。
テニスを始めた直後から結局今に至るまでスターは「ステファン・エドバーグ」という
選手だ。華麗なフォームから生み出されるスピンサーブに、いつネットダッシュした
か分からない速さでネットへ詰めボレーを決めるスタイル。パワーテニス全盛の今
では見られない美しいワンハンドのバックハンドショット。とーにかく真似して同じ様
なフォームでテニスをしていた(結局このフォームが抜けないまま今にいたる)。

そんなエドバーグが愛し使い続けたラケットがあり、当然おいらもそのラケットを買っ
て使っていた。その名は「PRO STAFF MID」。


PS-Midはアメリカのウイルソン社がこれまた伝説のスター「ジミー・コナーズ」が使
っていた同社の「T-2000」というラケットの後継機として開発した筋金入りの名刀。
残念ながらコナーズはPS-Midをちょっと使ったものの気に入らなかったらしく、元の
T-2000に戻してしまったが、後にこのPS-Midを使い出す選手が増え、最終的にラケッ
ト史に残る名刀として名を残すようになった。

ウッドラケットやT-2000の名残を残す「85平方インチ」というめちゃくちゃ小さいフ
ェース(ラケット面)や、カーボン+ケブラーを編みこんでゆく「ダブルブレイド工法」
と呼ばれる丁寧な作りは、ウッドの質感を残しつつ、反発係数では次世代のラケットと
いう超すげー(当時では)ものだった。

この「PRO STAFF MID」、実はその中でも更に伝説の名機と呼ばれるものが存在する。
その名は「セントビンセント仕様」。

当時のウイルソンは、様々な工場でラケットを生産していたが、肝入りのラケットであ
るPS-Midに関しては最も製造精度の高い工場を指定して生産が行われた。・・・それが
カリブ海に浮かぶ小島「セントビンセント島」の工場だったと。数年間この工場で生産が
行われたが、序々にコストや生産量の問題で他の生産性の高い工場での生産に移管され
(アメリカの別工場や台湾など)、セントビンセント製のモデルは市場から消え去ること
となる。


セントビンセントモデルは諸説あり真偽の程は定かではないが、カーボンの編込みを手
作業でやっていた・・・とか、含有カーボン量が異なる、スロート部の形状が違ってい
る・・・などなどまぁとにかく「すげー丁寧に高精度に作られているらしい」って評判
が体勢を占めててね。更に台湾製以降のモデルは、PS-Midの売りでもある「編込みカー
ボン素材」を担保する「ダブルブレイド工法」が不完全であり、打球感が違う、という
現象まで起きています。近年「ダブルブレイド工法完全再現」と呼ばれる製品が新商品
として出てきているので、やはりこの「台湾製」に関する説は真実だった模様。

(ちなみに湯葉兄も台湾製のヘニャヘニャした打球感は嫌いであまり使っていなかった)

湯葉兄、何をやるにもモノに拘るタイプなので、エドバーグが使うこのPS-Midをもちろ
ん愛用していたし、当然当時小学生のくせして「セントビンセント製」の存在を知り、
様々なショップを探して買い込んでおりました。。。小学〜中学生の体力にはやや重い
ラケットであったにも関わらず愛用していたものです。

てーことで、先ほどから映し出されている写真がその現在もビンテージとして湯葉部屋
に保管されている「セントビンセント」の本物っす。使用感がありつつも、年代を感じ
させる塗装面(台湾製以降はもっと鮮やかに着色されている)が泣かせます!

この「PRO STAFF MID」が発表されたのが1983年、当時はドルが変動相場だったの
で「1本¥60,000」という超高級ラケット(他社製は高くても3万円位)だったのです
が、1985年のプラザ合意により、手に入れやすくなります。・・・でもプラザ合意直
後に台湾製へ移行しているので、セントビンセント製はおそらく新定価として円高が進
んだ際の「¥48,000」で購入した人が多い気がするなぁ。(自分が買った価格なので
よく覚えているよ。)

最終的に湯葉兄は

・PRO STAFF MID St.Vincent 2本
・PRO STAFF MID 台湾製 2本(←一番嫌いで不遇のラケット)
・PRO STAFF Classic85(エドバーグモデル限定品) 2本(←打球感まぁまぁ)
・PRO STAFF Classic95(エドバーグモデル限定品) 1本(←高校時代使った)


あたりをラケットバッグに最大時入れていた気がする(アホな奴・・・)。
このセントビンセントの夢よもう一度っちゅー事で中学の時には、ウイルソンから世界
初の「厚ラケ」となる「PROFILE」が発売され、マンマと湯葉兄も購入。不思議な反発
係数に戸惑いつつも愛用するが初期不良により試合中に断裂。無償交換にウイルソンは
対応してくれたものの、「PROFILE」は生産が終わっており、後継機となる「PROFILE2」
(ちょっと違う名前だった気がする)を送り返してきたのね。したら打球感が違うのと、
パールシルバーだったオリジナルから、後継機はやや青みがかったシルバーになっていて、
超ダセー!ってことで結局プロスタッフに戻った訳でございます。。。

で、今といえば大学の時にダブルスが多く、楽出来る(かつイメージ的にナンパな感じが
する)「PRINCE Graphite 2」(のパールホワイト!)に乗り換えているので彼らは現在
ラケットバッグの肥やしになっちゃって・・・本当に申し訳ないと懺悔懺悔っす。

夢と思い出がつまったセントビンセント・・・久しぶりにゆっくり手に取り、磨いていた
らこんなブログを書きたくなってしまった訳よ。

春だしね、そろそろテニスもしたいなぁーと。


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