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Goodbye EXPO2005 !

皆さんもご存知の「愛知万博(正式名:2005年日本国際博覧会)」が日曜日の25日、終了しました。3月25日から9月25日までの185日間、名古屋東部丘陵である長久手の自然公園に作られた会場で122の国や機関が一堂に会し、「自然の叡智(Nature’s Wisdom)」というテーマのもと、様々な催しや展示、そして人生の交流を行ってきました。

最終の公式入場者数は22,049,544人。当初1,500万人を目標としていたので大幅な目標更新です。主催団体となる(財)2005年日本国際博覧会協会も正確には記載できない程「恐ろしくいっぱい」儲けたと聞いています。ただ、そんな数字的な記録や、誰の財布が潤った、という類の話がしたくてブログを書き始めた訳じゃないんですね、そりゃ皆さんもお分かりかと思いますが。

この万博に関し、僕は協会から依頼され、海外のクオリティーメディアを日本へ取材させに来日させるコーディネーションの一切、いわいる一本釣り作業を同僚と担当していました。約5年に一度、日本開催は30年ぶりという国際博覧会ですが、メディアというものは非常に報道内容にシビアな生き物であり、大きな話題性のある本イベントでも日本への取材を誘致するのは非常に大変なものでした。そのために、海外のエージェントと共同で活動を行い、エージェントやメディアとの打合せの為に、摩天楼でも突き刺すことが出来ない程真っ青に高い秋空のニューヨーク、凍てつく乾燥したマイナスの大気と石畳に抱かれながらホットワインを飲んだハンブルク、遠くの雷雲の灯りに照らされながら川沿いのオープンテラスで食べたマンゴーとスティッキーライスが忘れられないバンコク、雨上がり…スターウォーズのプレミアに偶然遭遇した役得のシドニー、アジア的なカオスを骨の髄まで味わいながらもメランコリックなバーでの水割りが忘れられない水面の夜景…香港。などなどニューヨーク、ロスアンジェルス、ロンドン、パリ、ミラノ、マドリッド、ハンブルク、フランクフルト、モスクワ、北京、香港、バンコク、シンガポール、シドニー、複数回訪れた都市もある中、合計14都市を旅しました。

開会前の建造中から万博会場には通っていた訳で、MIXIなどの手段も含め、通うたびに様々な万博で働く仲間との出会いがありました。アテンダント、誘導スタッフ、警備、ボランティア、協会職員…様々なバックボーン持つ奴らが様々な自分のロール(役割)の中で精一杯EXPO2005を表現し、そして彼らの心の中に吸収してゆく様子を、暮れ行く名古屋の夜一緒に餃子を食べながら味わったりしたものです。

—一生に一瞬しかない瞬間—。

そんな当たり前の言葉があれほど似合う奴ら、そしてイベントはなかなかないのではないでしょうか。訪れる人全てが主役になれ、訪れる人全ての人生が隣り合わせに交わってゆくあの興奮。185日皆勤賞だった地元の方もいらっしゃいましたが、彼女の185日間はハリウッドのどんな最新映画よりもドラマチックで発見に満ちたものだったのではないでしょうか。ともすれば田舎の地方博、で片付けられてしまうこの万博。でもその空間へ訪れた人たちはきっと知っているハズです。

—生きる歓び—

なによりこの半年を会場で働き、過ごし、共に雨の日も、晴れの日も、風の日も、雪の日も、様々な185日間を味わった君達はどんな奴にも負けない誇りと絆、そして感動という贈り物をこの万博からもらったことでしょう。万博会場にたかだか10回程度、仕事のみでプライベートでは結局参加することが出来なかったこの僕でもいま、ひしひしと2005年日本国際博覧会に1スタッフ、いや、1人の日本人として参加できたことに感動しています。いま、こうして東京で業務の最終報告書の幕をおろそうとするこの瞬間、資料からこぼれる今まで出会った様々な人の笑い顔、しぐさ、希望に溢れる景色—。ほんの半年前の出来事を時間というものは壮大なドラマとして、また、二度と手に入れることの出来ない「瞬間の記憶」として僕の感情を掻き乱します。

こうやって資料を大きな満足感、充足感、そしてやるせなさやゆっくりと込み上げる感動と共に眺めることができるこの瞬間を与えてくれた万博、業務を任せてくれた会社と同僚、そして万博を通じて出会うことが出来た全ての人に心からありがとうと言わせてください。思い返してこれだけの深い感動、感傷、想い出となるものは人生でもそうそうないと思います。すれ違い、触れ合うことがそもそも奇跡であるお互いの人生が、これだけの密度で、これだけの愛情を伴って、これだけの潔さで交じり合うことが出来た感動を忘れないでいこうと思います。

皆様へ、心からのお礼の代わりとして今日のブログを送りたいと思います。

さぁ、これからもどうぞよろしく。


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らぶ

お疲れ様でした!
そして素敵な言葉をありがとう!
yubaさんはまるで「グローバルループ」でした。
少し歩けば隣国があるという当たり前の事実にいちいち驚かされました。
万博は「未来の姿」だったはずですから、
月いちの飲み会だって未来に存在するんです。
スケジュール調整、引き続きお願いします!
by らぶ (2005-09-29 18:16) 

Yuba

りょーかいです!
散らばったとしても日本ですからね、いつでも会えると思いますし。
PBSが次のユニットとして生まれ変わってゆく姿も魅力ですね〜。

makiちゃんからの写真が届いて、小唄君、masaking君からの写
真をみたりするとあの夜が昨日の事の様に思い出せます。

この繋がってる感じ。そういうのがEXPOの財産として関わった人全
てに降り注いで行くと本当に素晴らしいと思います。
by Yuba (2005-09-30 01:49) 

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